「悪い噂」とはうらはらな素晴らしいワイン
梅雨が長いですね。随分長い間お日様を見ていない気持ちです。
そんな日にはスカッと爽やかな気持ちになるワインを飲みたいものです。
そんな中、先日参加したワインラバーズたちとの持ち寄りワイン会へ
持って行ったワインがこれです。
ロワールの奇才と言われるディディエ・ダグノーのブラン・フュメ・ド・プイィというワインです。
(これはロワール地方のプイィ・フュメという畑で作られた白ワインですよ〜って名前です)
ソーヴィニヨン ブランの特有の柑橘系の爽やかな香りの奥に白いお花の優しい香りが潜みます。
シャープでキリッとしたハーブのミュアンスから爽快感のあるミネラルさが加わり、
ふくよかな厚みが感じられる酸はスモーキーなコクへと時間とともに変化しました。
あと5〜6年くらい寝かしておいてもよかったかな〜(笑
このワインの力強いポテンシャルは静かに時を待ち続けてくれそうです。
古城でも有名な美しいロワールで作られるこのワインのエチケットがずっと気になっていたのです。
この楽譜は"Mauvaise reputation"=「悪い噂」というシャンソンだということがわかりました。
なぜそんなタイトルの楽譜をわざわざエチケットに????と思いましたが
この作り手さんならあり得るな!と(笑
🔺このピッピーかヘヴィメタバンドメンバーのようなお方がロワールの奇才、天才、異端児、と呼ばれたディディエ・ダグノー氏
モトクロスのレーサーで世界を飛び回っていた彼が、実家のワイナリーを継ぐことになるのが1982年。当時の醸造家とはかけたなれた身なりに加えて、彼はいち早くビオディナミ農法でぶどうを栽培し醸造していましたから、傍目には相当変人扱いされてきたのかもしれませんね。
しかし、そんな彼が独自の哲学や精神性を持って作り出すワインは徐々に良い噂が広まり、一躍トップキュベの仲間入りをするわけです。
悪い噂という曲は、ダグノーさんの友人でもあるフランスの吟遊詩人、ジョルジュ・ブラッサンスが
「♪〜村ではどういうわけか俺の評判は良くない〜♪」と歌い出します。
自分の愛するワインにユーモアたっぷりに、「悪い噂」を載せるあたりが、ますます魅力的な人物に思えました。
🔺ジョルジュ・ブラッサンス「悪い噂」
しかし彼はもうこの世にはいません。
2008年の9月。52歳の若さで飛行機事故で急逝しました。
現在は息子のジョルジュさんが偉大な醸造家の哲学でもあった「挑戦」と「不屈の闘志」を心に秘め、父に勝るとも劣らない素晴らしいワインを生み出しています。
私が飲んだヴィンテージ2015年もそんなグランヴァンでした💗
ちなみにこのワイン、いつか飲んでみたい幻ワインです。
「asteroide」アステロイド=小惑星
ダグノーさんらしい素敵な名前ですね💫
そんな私が選んだワインも飲んでいただく機会を作りたいと、来たる7月28日日曜日に
サロン・ド・ミチカホールにて少人数のイベントを開催します🎶🥂🎶
癒しの音楽とワインの懇親会つきです。
0コメント